うみねこのなく頃に Episode1-2「first move」

降りしきる雨の中、魔女・ベアトリーチェに会ったと言い張る真里亞。
疑問を抱く一族たちに対し、真里亞はベアトリーチェから預かったという手紙を披露し始める。その内容は衝撃的なものだった…右代宮家のすべての財産と一族の命を頂戴する、というのだ。
ただし誰かが碑文の謎を解いて隠し黄金を見つけた場合はそれを中止し、その者に黄金の全てと右代宮家の家督を譲り渡す、という。
紛糾必至の親族会議は夜更けまで続き、そして翌朝。ついに第一の惨劇が…。

出た! お約束の黒幼女! 誰か「真里亞ちゃんどうしたの?」ってツッコめよ! ……そんなことする余裕もないくらい、金蔵が右代宮家頭首の証を手放したということとメッセージの内容が衝撃的だったのでしょうが。
契約内容の「利息として右代宮家の全てを頂きます」とは、どうやら命すら入る模様。この段階で本気にしている人間は真里亞以外にはいないでしょうが、本当だとすれば謎を解かなければ親族使用人共に全滅は避けられない事態のようです。
霧江の「チェス盤思考」とは、原作公式のキャラ紹介によると「相手(この場合は「魔女ベアトリーチェ」)側から見て次の一手を考える」ということで、霧江はこの思考によってビジネスで大きく成功しているようです。そう考えてみると、確かに殊更「魔女ベアトリーチェ」なる人物の存在をアピールするのは実はそんな人物など存在せず、誰かが己の暗躍を隠すために行っているというのは納得のいく話です。ミステリにおいても、この手の「怪しい人物」はその場にいる誰かの擬装であることが殆どですし。ただし、霧江自身が言っているように「親族を全て嫌っている金蔵があっさり指輪を渡す相手がいるのか?」「指輪を渡したのがつい昨日なら郵送するのは不可能なので、必然的に自分で届けざるを得ない」等穴が多いのも事実。まだどうとも言えませんね。メタ的に見れば、こんな序盤からあからさまに与えられるヒントは十中八九フェイクなのでこの考えは外れということになりますが、さて。
「俺は多分、今夜殺されるだろうな」と言いその通りになった留弗夫は、何かを知っていたのでしょうか。親族会議が終わった後戦人に話そうとしていたことも気になりますが……
朱志香が夏妃にお守りを渡して死亡フラグを立てたかと思ったらそんなことはなかったぜ。夏妃の死亡フラグ回避には役に立ったようですが。
譲治、前回キャラが一番つまらないとか言って申し訳ありませんでした。この人めちゃくちゃ気障で面白いです。指輪渡して「返事は明日、指輪をどの指につけるかでしてくれ」って! あーもう! こりゃ紗音も落ちるってもんですよ。同時にどっちかの死亡フラグも凄い勢いで立てましたが。
翌朝、朱志香からもらったお守りをかけていた夏妃の部屋のドアには無数の血の手形が。これは夏妃も殺す予定だったがなんらかの事情で殺せず誰かを代わりに殺したことを示唆しているのか、それとも夏妃に対する警告かそれ以外の何かか……いやいや、前回書いたように本当に魔女が現れて殺そうとしたけど「ウギーなんだこのお守りはー! こりゃたまらん!」と殺せず逃げていった可能性も……
夏妃は兄弟間では虐げられていますが、不甲斐無い蔵臼に代わりずっと家を切り盛りしていたことから、源次が金蔵の書斎の鍵を貸すくらいは信頼されているようです。金蔵も「我が友」と呼ぶくらい信頼している源次が鍵を貸したことと、夏妃の覚悟を確かめたことで労うような言葉をかけていますし、他の親族よりは評価している模様。確かにあのいかにも威張るしか能がなさそうな蔵臼よりは、夏妃の方が当主に相応しそうだなぁ……
翌朝、遂に起きた第一の惨劇。発見された死体はどれも、惨殺されただけでは飽き足らず顔まで大きく傷付けられていて……ミステリで顔が潰された死体といえば、それは「殺されたと思われる人間の死体ではない」というのが定番中の定番。特に怪しいのは、服装以外にわざわざ「指輪」というわかりやすい記号で本人と確認された紗音。犯人かどうかまではまだなんとも言えませんが、まだ生きている可能性は十分にあります。ただその場合、紗音の身代わりにされたのは誰か、という新たな謎が生まれるわけですが……
第一の惨劇によって、とうとう六軒島大量殺人事件の幕が開きました。前回「深く考えず気楽に見る」と言いつつも、初めて読んだ大人向けの本がシャーロック・ホームズだったミステリマニアとしては色々考えてしまいます。